仏教式の葬儀の際にお坊さんにつけて頂く「あの世」でのお名前である「戒名」ですが、戒名代(謝礼金・お布施)の相場はいくら位なのか調べてみました。
ちなみに「戒名」は、本来は仏門に入る(仏の弟子になる)際に授けられる名前のことで、日蓮宗では「法号」・浄土真宗では「法名」と言われています。現在は、死後にお坊さん(僧)につけてもらう名前を「戒名」と呼んでいます。
お位牌とは
戒名・法名が書かれた木牌の事を「位牌」と呼びます。葬儀の際には白木で出来た「野位牌」を祀り、四十九日以降は「本位牌」を仏壇などに置いて祀るのが一般的です。
お位牌に書かれている文字の構成
お位牌に書かれている文字は「○○院▲▲××居士」などのようになっています。
「○○院」の部分が院号、「▲▲」が道号、「××」が戒名、「居士」の部分が位号です。
院号は生前に寺や宗派に大きく貢献した人や社会に広く貢献した場合に与えられることになっています。院号ほどではないですが、寺・宗派・社会に貢献した人に「庵・軒・斎」をつけます。
戒名の上につける「道号」ですが、浄土真宗や律宗ではつけません。
戒名は2文字からなり、生前の名前(俗名)から1文字を使うケースが多いようです。
位号は、性別や生前の功績・宗派などにより異なります。男性の場合は、「信士(しんし)」「居士(こじ)」「院信士(いんこじ)」「院居士(いんこじ)」の順でクラスが上がっていきます。女性の場合は、「信女(しんにょ)」「大姉(たいし)」「院信女(いんしんにょ)」「院大姉(いんたいし)」の順でクラスが上がっていきます。
本来は「××」の部分だけが戒名なのですが、現在は「○○院▲▲××居士」のすべてを戒名と呼ぶのが一般的です。
気になる戒名のお値段(謝礼金・お布施)の相場
さて、気になる戒名のお値段(謝礼金・お布施)の相場は宗派により以下となっています。
浄土宗・真言宗・曹洞宗・臨済宗・天台宗
「信士(しんし)」「信女(しんにょ)」
菩提寺の戒名相場:15万~30万円
僧侶派遣業者の戒名相場:2万円
「居士(こじ)」「大姉(たいし)」
菩提寺の戒名相場:30万~50万円
僧侶派遣業者の戒名相場:5万~6万円
「院信士(いんしんし)」「院信女(いんしんにょ)」
※臨済宗はなし
菩提寺の戒名相場:50万~80万円
僧侶派遣業者の戒名相場:8万~12万円
「院居士(いんこじ)」「院大姉(いんたいし)」
※浄土宗はなし
菩提寺の戒名相場:100万円~
僧侶派遣業者の戒名相場:15万~20万円
浄土真宗
「釋(しゃく)」「釋尼(しゃくに)」
菩提寺の戒名相場:15万~30万円
僧侶派遣業者の戒名相場:2万円
「院釋(いんしゃく)」「院釋尼(いんしゃくに)」
菩提寺の戒名相場:30万~50万円
僧侶派遣業者の戒名相場:5万~10万円
日蓮宗
「信士(しんし)」「信女(しんにょ)」
菩提寺の戒名相場:15万~30万円
僧侶派遣業者の戒名相場:2万円
「院信士(いんしんし)」「院信女(いんしんにょ)」
菩提寺の戒名相場:30万~50万円
僧侶派遣業者の戒名相場:5万~6万円
「院日信士(いんにちしんし)」「院信女(いんにちしんにょ)」
菩提寺の戒名相場:80万円~
僧侶派遣業者の戒名相場:10万~16万円
「院居士(いんこじ)」「院大姉(いんたいし)」
菩提寺の戒名相場:100万円~
僧侶派遣業者の戒名相場:15万~20万円
僧侶派遣サービスについて
先代からお世話になっている菩提寺がある場合は、そちらに法要をお願いするのが一般的ですが、菩提寺がない場合は通夜・葬儀・一周忌・三周忌などの法事・法要に「僧侶派遣サービス」を利用する方もいるようです。
最近は、流通大手のイオンが「イオンのお葬式」、オンライン通販最大手のアマゾンが「お坊さん便」という「僧侶派遣サービス」を始めて話題になりました。
「僧侶派遣」は
・料金が明確である
・急な葬儀でもネットで簡単に探せる
・葬儀のお布施・戒名代が安い
などのメリットがあります。
しかし、「明確な料金設定」のはずが「追加料金」が発生する場合があるなど、不明瞭な点も多いのが現状のようです。
又、すでに菩提寺がある場合は、トラブルになることがありますので、安いからといって「僧侶派遣」に頼むのは慎重に検討した方が良いでしょう。
特に寺院墓地の場合、「僧侶派遣」でつけた戒名や、生前にご自身でつけた戒名の場合は、納骨・埋葬を断られ、戒名をつけ直さなければいけなくなる場合もありますのでご注意ください。